価格の下落時期が今回のバブル崩壊後のように長期間、深く、広範囲にわたると、競売申し立て物件はアッという間に増加する。バブル期の競売申し立ての原因を見ていると、単純に債務者が経済的に返済不能になったこと以外に、融資時期に金融機関が不動産の購入を斡旋し、債務者である所有者に高値の物件を押しつけたことで、債務者と責任のなすり合いから感情的にこじれてしまったケースがままあった。金融機関が不動産仲介業を行なったことも原因だ。バブル崩壊後、債務者は返済不能に陥ると、それなりに不動産を売却しようと努力しただろうが、価格の大幅な値下がりの中で、なかなか売買価格の折り合いがつかず、売却後の生活を考えると踏み切れないこともあったろう。同じ頃、金融機関は最初のうちは融資時のいきさつや長年の取引関係もあって、あまり強硬な手段に出られなかったが、不良債権が積み重なってきて、自分たちの経営を押し潰しそうになると、競売による不良債権処理をどんどんしていかなければならなくなった。多くの不良債権処理のためには、債務者との話し合いを必要としない競売を採用せざるを得なくなったのだ。いま冷静に考えると、早い時期に強硬な手段に出た金融機関が生き残り、人情的な扱いをした金融機関は倒産または吸収合併されてしまったのではないだろうか。
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