価格の多寡だけで決める入札への強い危機感

2011.11.25

同じ条件の入札の場合、最低制限価格あるいは低入札価格調査の基準ラインを予定価格の50%に設定している自治体では契約が成立するが、基準ラインの設定が60%の自治体では失格あるいは低入札価格調査の対象になるという事態が生じる。業務内容に応じて基準ラインの設定に一定の幅を持たせる自治体も多く、戦略的にラインぎりぎりをねらう参加者にとっては、ラインの引かれ方によって安値か否かの明暗が分かれてしまう。エスカレートする応札者の競争志向を抑えるため、最低制限価格を事前に公表する自治体もあるが、ラインぎりぎりに応札者が張り付き、結果的にくじ引きで決める事態も起きている。

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基本設計を安値で落札した設計事務所が、優先的に契約交渉できる実施設計で採算の帳尻を合わせるという場合も多い。これを防ぐため、低価格案件では実施設計段階で再入札させるケースが目立ち、基本設計と実施設計を別の設計者が担当することもある。設計界は、創造性に基づく設計行為を価格の多寡だけで決める入札への違和感だけでなく、横行する安値落札が一貫した設計プロセスを崩してしまう状況にも強い危機感を持っている。