ベンチ。道からちょっと外れたところにあり、北側の背の方向は、壁や生垣で、視線や北風から守られている。上部は木が覆いかぶさり夏の直射日光をさえぎっている。南側は、視界が開け遠くが見渡せる。ベンチは一つである。つまり、ベンチが散歩、日当り、北風、木、視線、景色、孤独、あるいは二人だけの世界、といったことと一体となって全体性を生み出している。このように個別性は他を受け入れることによって生み出され、同時に存在の複雑性、分散性、複合性、全体性を生み出す。逆に言えば、個別性な対応なくしてはこのような性質のものは生み出せないと言える。ふつう、個別性や個性は他を否定することから、自己の主観、あるいは勝手気ままな解釈ということから生まれると考えられるが、まったくそうではなく、逆に他を受け入れることから生まれる。
[参考]
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