竹の美しさ

2011.11.18

竹に興味をもったのは、子供の頃の遊び場だった裏山の、あの竹林のせいかもしれない。急斜面に竹が生えていた。竹の幹を次々につかみながら、斜面を登るのが楽しみだった。竹林を満たす澄んだ緑色の光も魅力的であったし、竹の清潔でまっすぐで、しかも金属やタイルのように冷たくない質感も大好きだった。あの竹林のような空間を作ってみたい。竹で建築を作ってみたいという思いはずっとあったが、竹には大きな欠陥があった。乾燥すると簡単に割れてしまうので、建築を支える柱や梁にはならないのである。

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となると、竹は室内装飾にしか使えないことになる。割った竹を並べて壁面に使ったり、床柱に使ったりする手法は、日本ではしばしば行われるが、建物を支える柱ではないという点が、あの本物の竹林とは決定的に違うような気がしたのである。あの竹林の美しさは、竹の強さからきている。強く美しい女性の脚のように、細くまっすぐに伸びていて、しかもどんな強風にも耐える、しなやかな強さを持っている。その強くしなやかで繊細なものが、地下でつながって、大地と一体となってお互いを支えあっているところに、あの林の美しさは起因する。地下茎というたぐいまれなテクノロジーがあるからこそ、あの細さと強さとが両立するのである。竹の美しさは、土の強さと一体である。