今回の異常な地価高騰は単に不動産業者が土地転がしに走ったことが唯一の原因なのではなく、金余り現象を背景とした金融機関の積極的な貸し付けという問題がある。それは単に多数の不動産業者を経営危機に陥れただけでなく、そのツケは自らにも回ってきている。都市銀行や信託銀行は不動産業者へ1行当たり1兆円以上の貸付残が現在もあり、その10〜20%は事実上こげついた状態になっているといえる。資金回収の見込みは薄い。金融機関が全体として新規の融資をストップしているため、結果的には自行の融資先に土地を転売させて融資を回収することか不可能になっているのである。自繩自縛とはまさにこのことをいう。全国銀行(都市銀行、長期信用銀行、信託銀行)の昭和63年3月期決算では、年間の経常利益は3兆104億円である。これは先に示した不良融貪額にほぼ相当する。したがって平均すると各大手銀行ともこげつく可能性の高い不動産業者への融資残高は、1年間の経常利益に相当することになる。ただし、すべてを直接融資しているわけではなく、特に不良融資については信収、リース系を通じたものが多いと推定される。したがって今後中小不動産業者の倒産か多発し始めると、まずそれか影響してくるのはそれら信販、リース系、あるいは不動産融資を中心にしたファイナンス会社とみられる。
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